三つの物語がありました。

それらは、悲しい物語と、切ない物語と、大事で大切な物語でした。

「きみには感謝してるよ。」

「きょんを傷つけたくない。」

「未来は変わってしまうんだね。」

半年前に決めた覚悟や思いは、
現実に直面すると、
揺るぎ無い確実なものから、
ゆらゆら揺れる、
か細いろうそくのようなものへと変化しました。

自らが一度、負った傷を消してくれるような温かい人は、
それ故にとても強い人だと思っていました。
でも、人はだれしもそんなに強くなんかなくて、
弱い部分も必ず存在する生き物でした。
あたしはそれを、見ようとしていなかったのかもしれません。

大切で大事で失いたくない何かは、
もう既に居なくなってしまったんだと。
そして、そんな結果を招いたのは己以外の誰でも無いのだと。

誰かを傷つけないように生きるのは難しい。
丁寧にゆっくりと懇願するように、
いつも柔らかで優しく大地のような人間を、
追い求めすぎたせいで、その形や匂いすら解らなくなってしまいました。

そして、また、だれかが涙を流すとしたら、
あたしは人を愛してはいけないのだと思いました。



あたしの愛は、形の無いものです。

あたしの愛は、影ばかりを背負って増長します。

あたしの愛は、あなたを愛しすぎる故に、脆く壊れやすい物なのです。

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