ほっとけないって云われたくて、
薬指を噛んで舌なめずりしてみたけど、
あらあらまあまあ、逆効果みたいでした。

電車を降りたらどうでもよくて。
ただ隣に居たいって思ったの。
それで、林檎嬢唄って空を見て、
月にウインクでもしてやりましょうって見上げたのに、
月は雲に隠れて姿を現してくれなくて。
ヒールを投げて、着てるワンピも投げて、海に飛び込んだわ。

海は気持ちいいの。とっても。
生まれたままの姿で潜って潜って深くまで潜って。
何も考えないで居たら人魚になっちゃったのよ。

あなた、人魚を愛せる?
私は本当は人魚なのよ?

だれにも教えたことはなかったわ。
でもあなたには教える。
わたし、好きな人には隠し事できないんだもの。

解る?この気持ち。
あなたが好きなのよ。
大嫌いの反対くらいにあなたが好きよ。

でもあなたはこの海から陸に上がったら、
この記憶全部失くしちゃうでしょ?
知ってるわ、わたし。そういう運命なのよ。しょうがないの。

いいのよ、いいの。

それでいいのよ。

何もかもすべてうまくいくわ。

なんて、本当は愛が欲しくて息も絶え絶えな若い女の子が昨日云ってたっけ。

コメント

シロ
シロ
2006年7月9日21:48

うわー
凄い素敵な文章です・・うっとりしちゃいました。
こうゆうのつぼですやばいです。
ほんっときょんさんの世界は素敵な世界が広がってるんだなあと
思いましたので、
書き込ませていただきました♪

きょん
きょん
2006年7月10日22:38

わーわー。お褒め頂きありがとう!!
シロちゃんのツボにはまったかと思うと、嬉しさ倍増です☆
素敵な世界ですか…。
妄想壁な我を表現してみたくなりまして書いてみました。笑
これからちょっとずつこういうのも出していこうかしら!

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